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ロハス住宅への道

連載:ロハス住宅への道「建築工法を知ろう!」

自由設計で注文住宅の一戸建て。
一生に何度もないことだからこそ、自分らしく。
私たち自身にも健康的で、地球にもやさしい、そんなロハスな家づくり。
実現するために、損しないために、建築のことも少し勉強してみませんか?

Vol.01高気密高断熱住宅と計画換気

 2006年の冬の寒さはとても厳しく、夏も蒸し暑かった東京地方。
冷暖房に頼らずとも、冬は暖かく、夏は涼しい環境で過ごしたいと思う人も多いはず。
 そんな一年中快適な環境が実現できるというウワサの高気密高断熱住宅─。
高気密高断熱住宅とはいったいどんな住宅なの? 本当に快適になるの? 建築コストが高いのでは? デメリットはないの?

 そんなギモンを専門家に率直にぶつけてみました。
有限会社ケーズファクトリー代表取締役の金子清之さんにご協力いただきました。

Q. 高気密高断熱という言葉をよく聞くようになりましたが、どういう住宅を高気密高断熱住宅というのですか?

 高気密とは住宅の中にすきま風があまり入ってこない状態のことです。その状態を測るものさしとして「C値」というものがあります。C値とは、住宅を床面積で表し、1m2あたりの隙間相当面積をあらわす値で単位はcm/m2です。C値が低いほど、気密性が高い状態、ということになります。どのくらいの値から「高気密住宅」と呼べるかは、1992年に施行された省エネ法により、地域ごとに決められているようです。以下URLに詳しく述べられているので、参考してみてください。
http://www.tamurakoumuten.co.jp/yougosyuu.htm
 それに対し、高断熱とは、外部の熱を住宅に伝導しにくくした状態です。冬の寒気や夏の暑さを部屋の中に伝えにくくしている住宅を「高断熱住宅」といいます。
 前者と後者の両方を兼ね備えた住宅を「高気密高断熱住宅」と考えて差し支えないと思います。

Q. 高気密高断熱住宅の長所はどんなところですか?

 とにかく、人が感じる「快適な温度や湿度」を少ないエネルギーで実現させることができます。そのことからも、冷暖房にかかる電力費、光熱費などが安くなります。
 また、部屋の中が快適な状態で保たれるので、ダニやカビ、結露などの発生も押さえられるので、長寿命の住宅にすることが可能です。

Q. 逆に短所や注意するべきところ等はありますか?

 何よりも一番気をつけなければいけないのが、換気システムです。
すきま風が入ってくるのをできるだけ防いでいる訳ですから、放っておくとハウスダストや二酸化炭素の充満した不健康な環境になってしまいます。 そこで人工的に換気をしてくれるようなシステムを併用しなくてはいけません。 ですので、「高気密高断熱住宅」という表現だけでは本来はダメです。 正しいのは「高気密高断熱“計画換気”住宅」なのです。

Q. 建築コストは高いですか?

 やはり普通の住宅(気密性・断熱性の低い住宅)に比べれば、建築コストは上がります。ただし、それも、長寿命の住宅を建てる、という考え方であれば、決して高いとは言えません。30年やそこらで建て替えなくてはならないような住宅を低コストで建てるのなら、かけるところにかけて、長く大切に住む、というのもこれからの住まい手に求められる考え方だと思います。

Q. 高気密高断熱住宅を実現する工法にもいろいろあると聞きましたが、それはどのようなものですか?

 代表的なものとして、「外断熱工法」と「内断熱工法」がありますが、それぞれに長所と短所があります。
 たとえば、外断熱工法は、文字通り外からの熱を遮断するにはもってこいの工法ですが、工事の段階が増えるのと、断熱材が少なく割高です。 内断熱工法は、材料や施工技術が広く普及しているので、その分間違いのない施工ができますが、断熱性能自体は外断熱工法よりもやや劣ります。

外断熱工法 長所 外部熱の侵入を阻止しやすい。
短所 工程の増加と断熱材が限定されるため割高になる。
内部発生熱が排出しにくい(一度籠ると冷めにくい)。
内断熱工法 長所 材料と施工法が一般に普及しているため、間違いの無い施工が出来る。
内部発生熱は排出しやすい。
短所 断熱性能は外断熱に較べてやや劣る。

Q. 高気密高断熱住宅をハウスメーカーや工務店に依頼する場合、どんなことに注意するべきですか?

 さきほども言いましたが、高気密高断熱の場合、まず何より計画的に換気をする必要があるので、断熱工事だけではなく、換気システムについても、知識や実績の豊富なところにお願いするのがいいと思います。

 そして、その前の段階の話になってしまいますが、はじめから高気密や高断熱ありきの住宅を考えるのではなく、その土地の気候の特性や、周辺の環境などを考慮し、どんな住宅が快適なのかを考える方が優先です。たとえば、通風や採光等の自然の恩恵を利用する方がはるかに快適な場合も多いですし、その中で足りないものを工事や材料でカバーしていく、という住宅計画をおススメします。

Q. 東京の気候で高気密高断熱住宅は適していると思いますか?

 これも周辺環境によりますが、高温多湿の都心部では、適していると思います。

編集部の感想…
高気密高断熱住宅といっても、それを実現する工法や断熱材は多岐に渡っていて、ひとくくりに語るのは難しいようです。また金子さんもおっしゃっていたように、まずはこれから建てようとしている場所の気候や道路等の周辺環境を踏まえて、建築家や工務店と相談するのがいいのかな、と思いました。 この取材の際に、私も高気密高断熱住宅のモデルルームに見学にいってみましたが、たしかに快適で、冷暖房もほとんどしていないということに驚きました。 百聞は一見にしかず。何よりもまずは自分の五感でってことでしょうか。(S)
今回ご協力いただいたのは…
有限会社ケーズファクトリー代表取締役/金子清之さん

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